BABYMETALを観て思ったこと。
BABYMETALを観にさいたまスーパーアリーナへ。
17時過ぎに入ったが、会場にメタルが流れていて心地よい。中~高校生時代メタルキッズだったころの記憶がよみがえる。オジーやらメタリカやらハロウィンやら貪るように聴いてきたが、次第に胃もたれするようになって高校卒業する頃にはミッシェルやらブランキーやらナンバガなどの邦楽に心惹かれるようになった。
メタルは奏でられる様式美を、様式美を持って楽しむリスナーがいて成り立つ。予定調和をどれだけ楽しめるかが肝だと思うのだけれど、高卒就職で上京することとなりモラトリアムから抜け出したことがメタルからの卒業にも繋がったのかもしれない。
一方、アイドルというものも本質は様式美。ステージと現場ヲタの関係は、メタルのそれと同じだ。アイドル誌を編集していた頃、アリーナクラスから地下50人キャパくらいで活動するあらゆるアイドルユニットを観てきたが、その関係を保てたアイドルが結果上に上がっていき、ファンと馴れ合ったアイドルは基本的に伸びない。アイドルは偶像なのだから。
BABYMETALを観たのは2回目だけど、やっぱりメタル的にもアイドル的にもその様式美が徹底されている。その上でSU-METALの神がかった(狐がかった?)歌声、MOA&YUI-METALの座敷童的なアイドル性、神バンドの圧倒的な演奏力、アミューズのステージ制作&政治力があれば、そりゃハネるよ。素晴らしかった。特に「紅月」のSU-METALの存在感には、目頭が熱くなってしまった。
あとは曲が増えれば…とはつくづく思っていたところに新曲が2曲。序盤のは上田剛士の作曲だよね、絶対。マッドの感じがむんむんに漂っていた。
さて、今後。このまま曲を増やして更なる高みへ上るのか、「アイドル=BABY」の様式美に則り引き際を図るのか…なんとなくSU-METAL、というか中元すず香が高校卒業の年齢で幕を閉じそうな気もしているが。アミューズがBABYMETAL以後の彼女をどう売っていくのか判断が楽しみだ。明らかに、彼女は天才なのだから。
LOSALIOSのライブを観て思ったこと。
日本で一番「うまい」ロックドラマーはBOBOだけど、一番「かっこいい」ロックドラマーは中村達也だと思っていて。高校生のときにブランキーを聴いて育った世代はそうなるんじゃないかなと。そんな彼も今日で50歳。
ライブで生音を体感したのは初めてだったけど、手数が多いのに、重くて、硬質。思ってた通り、最高にかっこいいドラマーでした。
それを支えるTOKIE、アイゴン、カトウタカシも素晴らしかった。TOKIEのグルーヴは女性ベーシストではやはり最高峰。アイゴンの職人っぷり、チャーハンの切れっぷりも良かった。
ゲストの(脱法ドラッグを作ってそうなw)堀江博久、青木ケイタもバチッとはまってた。
濃密で芳醇な音にまみれた一夜。幸先のいいライブ始め。明日から仕事行きたくない。
ちなみに革ジャン着た人が多かったのはブランキーの名残でしょうか。
各所の2014年間ベストCDを見て思ったこと。
なぜsyrup16g「HURT」を1位に挙げてる人がおらんのじゃい。そりゃ、くるりも完璧だったし坂本慎太郎も抜群だったよ。でも、五十嵐の復活をもっとシーン的に喜ぶべきなんじゃないか。それは各作品の完成度を上回る程に。
ということで、備忘録的に年間ベストを。
<邦楽>
1 syrup16g「HURT」
2 くるり「THE PIER」
3 坂本慎太郎「ナマで踊ろう」
4 BABYMETAL「BABYMETAL」
5 きのこ帝国「フェイクワールドワンダーランド」
6 GREAT3「愛の関係」
7 80KIDZ「FACE」
8 椎名林檎「日出処」
9 PANICSMILE「informed consent」
10 indigo jam unit「indigo jam unit」
<洋楽>
1 SHELLAC「DUDE INCREDIBLE」
2 KASABIAN「48:13」
3 wezzer「EVERYTHING WILL BE ALRIGHT IN THE END」
4 D'ANGELO AND THE VANGUARD「BLACK MESSIAH」
5 CLOUD NOTHINGS「HERE AND NOWHERE ELSE」
6 Pixies「Indie Cindy」
7 SPOON「THEY WANT MY SOUL」
8 ROYAL BLOOD「ROYAL BLOOD」
9 CLAP YOUR HAND SAY YEAH「ONLY RUN」
10 ANTEMASQUE「ANTEMASQUE」
CDJ3日目を見て思ったこと。
昨日COUNTDOWN JAPAN1415の3日目に行ってきた。
くるり→チャットモンチー→坂本真綾→きのこ帝国→10-FEET→TM NETWORK→大森靖子→indigo la End→パスピエの流れ。すべて観たのはくるり、テンフィ、TMの3組。
くるりは先日のワンマンも観に行ったけど、今回の方が良かったように思った。夏のRIJFやサンプラザはちょっ大人しい感じがあったけど、昨日はバンドのテンションが良かった。
テンフィはAir Jam以来か。相変わらず、熱い。4万人のジャンプでメッセの床が揺れていた。
TMは初めてだったけど、自分の音楽好きの原点がTM、ユニコーン、オジーオズボーンなだけにちょっと感慨深かった。当然3人とも歳をとり(というか、宇都宮57歳だったのね)衰えは隠せないけど、ちゃんとEDM仕様にアレンジしてあり経験が物をいうステージだった。
終盤は勢いのあるバンド2組を初見。indigoは川谷のメロディーがすべてな印象。でも、やっぱり今年は川谷の1年だったなぁとフロアを観ながらつくづく。
で、パスピエ。すごく上手いバンドだと思った。小技がいたるところに散りばめられていて聴いて、体感して飽きなかった。
のだが、ファンたちのサークル&モッシュでちょっと醒めた。パスピエ好きの同伴者も引いていた。「ワンマンでこんなこと無い」と。前のバンドを引きづっているんじゃ…と少し悲しんでいた。
サークル&モッシュは否定しない。テンフィのそれは熱い音楽に呼応するように突き動かされているから。それを見る地蔵組の自分も胸が熱くなる。
でも、パスピエはどうだろう。かなり繊細な音づくりだと思うし、それを感じるのが楽しいんじゃないかなと年寄りな自分は思うのだが、サークル&モッシュをしていたファンはステージを見ることも、音を感じることもなく、ただ享楽的に内輪ノリだけで突っ走っているように思えた。きっとどのバンドでも一緒の動きなんだろうなぁと。
まぁ、フェスやライブはそれぞれ楽しめばいいんだろうけど、バンドはこの状況に対してどう思っているんだろうか。CDとライブで考えを分けているのかなぁ。
あと一番感動したのは、ギャラクシーのフードコートの豚丼が美味しかったこと。